メインコンテンツまでスキップ

論文校正Tips

論文の構成

アブスト

  • イントロを凝縮させたもの。
    • 一行目: どのような問題を解くのか。なぜ重要なのか。
      例: Hyperspectral imaging is a promising tool for applications in geosensing, cultural heritage and beyond.
    • 二行目: これまでの手法の問題点を書く。
      例: However, compared to current RGB cameras, existing hyperspectral cameras are severely limited in spatial resolution.
    • 三行目から: この論文は、なにをするのか。
      例: In this paper, we introduce a simple new technique for reconstructing a very high-resolution hyperspectral image from two readily obtained measurements: a lower-resolution hyperspectral image and a high-resolution RGB image. Our approach is divided into two stages ... この部分はたくさん書く。
    • 最終行: 論文の売り、結果など。
      例: Experiments show that this simple approach performs reasonably well on both simulations and real data examples.

イントロ(目的・課題)

  • 自分の扱う問題の説明(what)、なぜその問題を解きたいのか(why)、どういうやり方で解くのか(how)、関連研究との位置づけ(what is new)(以前の論文ではこういうことができていたが、これができなかった。そこで、このような問題を解決します。そのためには、このようなやり方をすれば、解くことができます。)

提案手法(提案)

  • 自分の提案する手法の説明
  • 最初に、概要を説明しておいてから、各論に入っていく。
  • ダメな書き方: マニュアルのように書く。(最初にこうします、次にこうします、最後に、、、のような) ⇒ で、だから、何なの?となってしまい、どこがポイントか分からない。
  • いい書き方:  問題を解くために、我々はこのようにします(少し抽象化して全体像が分かるように書く)。なぜなら、、、、(どうしてそれが有効かを書く)。そこで,具体的には、こういう方法をとります。最初に、、、次に、、、 ⇒ なるほど!と思える。

実験(評価)

  • セットアップ、どのような計算機で、どのような配置で機材を置き、どのような被験者にこのような、、、。その結果、このような結果が得られた。図に示すように、、、。
  • 過去形で書く
  • 手法の適用限界も示すとよい。たとえば、図○○のような場合には、失敗します。なぜなら、手法で使っているこの仮定からあまりにも外れるためです。けれども、、、。(良い点も述べる。)

結論

  • まとめ、残っている課題

論文校正Tips

先生や先輩に「毎年いってるじゃん」と言われるけど、言われるのが初めてな卒論生のために。「毎年いってるじゃん」を明文化してはどうか。 または、確認作業用のために。 ググればたくさんありますが、研究室内的暗黙の了解も含めて書いておき、ここみて直してから先輩に見せるシステムで作業量を減らす作戦。

論文を書く前に

texで書こう。

いざ論文

注意しすぎてもしすぎることはない項目

  • 表紙、先生の肩書: 先輩のTex資料をコピペすると「助教授」時代のものがあるので注意。
  • 共著者の所属:特に、先生方の所属はよく調べて書く。
  • ただし、苗村先生の所属は筆頭著者と同じでよい場合が多い。(苗村先生が工学部にも、情報理工にも、(学環ではなく)学府にも所属しているため。)

文書の書き方

  • 句読点は「.」「,」を使う。「。」「、」は使わない。
    • 先生のメールなど見れば分かると思いますが,多くの研究者の方々はIMEの設定で「,」「.」をデフォルトにされています.別に気にしないのであればそう設定するのもいいのではと思います.
    • これは誰が決めたのでしょうか、個人的意見ですが、「、。」「,。」「,.」の3つについては特に指定がない限りどれを使ってもよいのではないかと思います。 -- 平木
    • 参考: http://yebisu.cc.kyushu-u.ac.jp/~watanabe/RESERCH/MANUSCRIPT/OTHERS/YOKO/ten.pdf
    • 日本語の文章の場合,句読点は全角で統一(参考文献など,一部英語の部分を除く).英語の場合は当然半角で.
    • 英語の場合,「,」「.」の後には基本的にスペースが要ります(例外あり).参考文献の表記などで注意.
    • 「(」「)」も同様に,日本語の文章では全角(半角を使う場合はスペースがいるはず),英語の文章では半角.
  • 引用符.ダブルクオーテーションは基本的には使わない.引用開始が「``」(バッククオート2つ),引用終了が「''」(クオート2つ)
  • 工学系の論文では,「英語でerと書き,日本語で伸ばす音」を書かない
    • 例:user→ユーザ,interface→インタフェース
    • 例外はあると思うので,権威ある学会の先行研究の論文を読み,統計的に一番多い表記にするのが無難です.
  • 日本語論文中の数字・英語は半角
  • 同じものを指す語句は統一
  • 造語を使わない (怪しい語句はGoogle先生に件数を聞こう)
  • 関連研究は参照順に並べる.(著者のアルファベット順にしなくてはならない場合もあるので,bibtexを使うのがお勧め.)
  • 図中の注釈は基本的に英語で
  • 文章の説明をする文章は"なるべく"書かない.「本節は,...を説明する.」など.同じ紙面のスペースで,伝えられる情報が減るため.せめて「本節は,...を比較する.」など,動詞を変えてみよう.

texの小話

  • ハイフンの使い分け.(texのソースで)単語と単語をつなぐ場合はハイフン1つ(例:user-specified),区間を表す場合はハイフン2つ(例:pp. 11--20).
  • figure環境で\begin{center}~\end{center}を使うと図とキャプションの間が妙に空く。\centeringを使うのが普通。

文章校正術

  • Texで書いた後、Wordに文章だけ流し込んで、校正ツールを使うと初歩的な文法ミスを発見できる。
  • linuxやcygwinを使っているなら,ispell/aspellなどを使えば英語のスペルチェックはできる.ただし文法などはほとんど見てくれない.texのソースをそのまま流しこめるので簡易的なチェックにどうぞ.
  • illustratorにも英語のスペルチェック機能がある。
  • 音読すると驚くほど変な日本語が浮き上がる.不思議!

英文 Writing style

必読!よくある間違い

  • Researches => Research はuncountableです(辞書を引こう)。Worksも研究の意味で使うときは間違い。e.g. Related work, future work

Wordyな英語。日本語を直訳するため、英語がまわりくどくなる。

  • × it is possible to conduct the task of bird tracking
  • ○ it is possible to track birds

Technical writing 指南

Spacing (スペースの空け方)

CategoryRightWrong
ReferenceAccording to Ikeuchi [11]According to Ikeuchi[11]
EquationEquation (5) is rewrittenEquation(5) is rewritten
FigureAs shown in Fig. 5 (a)As shown in Fig. 5(a)
Units10 cm, 20 dB, 5 m10cm, 20dB, 5m
PeriodFig. 1 (or Fig.~1 in latex)Fig.1
ParenthesesEq. 1 (or Eq.~1 in latex)Eq.1

Punctuation (句読点)

  • Proofreader's comment: I moved the commas and periods from outside to inside the quotation marks, as in "Casio," "Pana," and "Canon." This is done in all American publications.
    • ○ "Knapp Editing." (American)
    • × "Knapp Editing". (European)
  • No space before comma or period, and a space after them.
    • ○ As a result, the method is impractical. Therefore, ...
    • ○ Eq. 1, Fig. 2, etc.
    • (Exception) ○ Ph.D., B.A., B.C., etc.
    • (Exception) ○ ..., etc.).
    • Proofreader's comment: I added the penultimate comma, as in the comma after "Pana." This is done in technical publications.
      • ○ as shown in A, B, and C.
      • × as shown in A, B and C.

Misc (その他)

  • When there is a choice between hyphenating and not hyphenating, we usually choose to remove the distraction of the hyphen.

    • "omni-directional" --> "omnidirectional."
  • 「文化遺産」と書くとき

    • (a) cultural asset/s という言葉をなるべく使う。
    • cultural heritageは複数形にしない。
    • 個々の遺産を指す時には、(a) cultural heritage object/s とする。
  • つづりはアメリカ式に統一。

    • ○ The color changed from blue to gray.
    • × The colour changed from blue to grey.
  • whichとthatの違い

    • thatを使う場合: "Do you know the Chinese restaurant that is at the corner of the Penbroke mall?"
    • whichを使う場合: "You don't know Kung Pao Chicken? I've been to Penbroke Chinese restaurant which serves one of those!"
    • Thatを使う場合では「ペンブロークモールの角にある中華料理屋」として先行詞が特定されるのでthatを使う。Whichの場合では「クンパオチキンを出す中華料理屋」はいっぱいあるので先行詞は特定されない。したがってwhichを使う。一般に付け足しをしたいならwhich、付け足しの意味にしないならthat、と考えておけばよいらしい。

参考書

  • 小野義正, "科学英語論文の書き方", 丸善, 1300円

論文を書いた後に

PDFが重すぎて、メールで送れない、提出制限にひっかかる

共有PCのAdobeAcrobat(有料版)で開き、軽量化して提出しましょう。

  • 文書 > ファイルサイズを縮小

リンク集