メインコンテンツまでスキップ

苗村活用のコツ

苗村活用のコツ

「心を亡くす」と書いて「忙しい」。つまり,「先生は忙しいから」は「あいつは心が死んでるから」ということ。欧米的には,日本人の多忙自慢は,self management ができない無能自慢にしか聞こえないとのこと。ちなみに,ビジネスマナーとしては,「ご多忙のところ恐縮ですが」ではなく「ご多用のところ恐縮ですが」と書くのが正しい。

ということで,決して「忙しいから」とは言わないが,現実的にはオーバーフローが甚だしく,苗村を上手に活用できる人とそうでない人の差が開くばかりなので,活用法をメモ。

コミュニケーションチャンネル

研究室でのコミュニケーション手段の比重はおよそ下記の感覚。

  • 70% 口頭,zoom
  • 15% 電話,skype
  • 10% twitter (DM), 携帯電話(SMS),Facebook (Message)
  • 5% e-mail,Slack(DM) e-mailは苗村に限らず多くの先生が機能不全を起こしており,ここに頼るのは失敗への近道。e-mailは,決まったことの議事録共有や,進行状況の共有などの場合には適しているが,相談・判断を要するものには効率が悪い。

口頭・電話・skype

口頭でのやりとりのために,研究室MTG(含 ランチMTG)の時間を確保してある。研究室内部メンバにとって,口頭以外の手段は非常時という位置付け。要領のよい人は,エレベータで移動している隙をついたり(Elevator Briefing),外出時に駅までついてきて話すなど,社会に出たときに即戦力ルーキーとなるオーラを発している。出張中など留守の際には,skypeや電話で話すのが早い。 口頭議論の欠点はアーカイブ性。議事録を残して共有することが肝要。

twitter(DM),携帯電話(SMS)

不在時の緊急連絡は,下記の理由でこちらを常用。 相手が限定されている 迷惑フィルタなどで除外されない 文面が短い(満員電車で移動中でもスマホだけで返事できる) 当然のことながら,twitter DMは,自身のtwitterアカウントを苗村と相互フォローしている必要があり,これによってメンバを限定している。携帯電話(SMS)は,苗村のスマホに電話番号を登録している必要があり,こちらから電話をかけたことがある人しか登録していないので,さらにメンバが限定される。 こちらの欠点もアーカイブ性にあるが,そもそもあとで検索する必要があるようなやり取りはしない方針。

Facebook(Message)

相手が限定され,迷惑フィルタで除外されず,あとで検索し難い点は,twitter(DM)に近い。 ただし,文面が長く書けるのがメリットのように思われがちだが,短い文面ならtwitter(DM)を常用しており,あえて長い文面が来ても検索できない状況で複雑なやりとりをする気がしないという理由で,あまり使っていない。

e-mail

e-mailを,届いたその日のうちに全部読むのはかなり厳しく,複雑な返事を書くのはさらに難しい状況にある。 苗村の場合,およそ1日に500通のメイルが届いている。GMailとOutlookの迷惑フィルタで二重に自動分類して,200通程度にまず絞り込んでいる。この段階で除外された300通に紛れ込んでしまうと,ほとんど読めていない。この200通に目を通すのに,1日3時間程度を確保。すなわち1通あたり1分。スマフォの画面に収まらない長い文面は後回し。あとはその日のスケジュールの空き具合に応じて,読めるところまで読んで,返事を書けるところまで書く。 特に口頭で済むはずの内部メンバのメイルは後回しになりがち。目安は「一週間以内には読むぞ」なので,一週間以内に返事がなければ,埋もれて読めなくなっていると判断してもらった方が安全。 ただし,e-mailを送ることを遠慮する必要はない。ちゃんとやってますよのサイン(進行状況の共有)や,決まったことの記録アーカイブ(議事録の共有)として,返事は期待せず,いつか必要なときに掘り起こせるようにe-mailを送っておくのが,要領のよい立ち振る舞い。 原則として,HTMLメイルは読まず,長文メイルは後回し。平文の短文メイルが吉。1つのメイルに複数の案件が混ざっていると取りこぼしが多発するので,1メイルに1件の要件が肝要。

Slack(DM)

相手が限定され,迷惑フィルタで除外されず,長い文面も可能な点は,Facebook(Message)に近い。検索もできるが古いものは消されていく。 単調増加するコミュニケーション手段の中で,最後に加わったが,ワークスペースが増えすぎて収拾がつかなくなっている。

時間帯

午前からランチまでが,研究室内部業務のコアタイム。午後は,学外に出たり,学内委員会などで飽和状態。特に,夕方以降は,各大学の先生を集める学界委員会などが集中するため,研究室のことはほとんどできない。似たような状況は,業者さんと連絡をとるときにも当てはまり,午前中に業者さんに電話をすればすぐ捕まるが,午後になると社外の納品やら何やらで留守ということが頻発する。 「苗村と朝のうちに相談して,午前に業者に電話すればあっさり終了」というタスクも,「寝坊したんでe-mailで済まそうと思ったらずっと返事がなくて,数日後にやっとOKもらっても,業者に電話するといつも留守(午後だから)でまた何日も過ぎていく」という展開になり得るので,要は午前中がコアタイムと心得るべき。

アポ取り

多くの先生方が全員集合するための日程調整としては,半年前が目安。少数に対するアポ取りが入ってくるのは,だいたい2ヵ月前が目安。逆に言えば,この先の2ヵ月間は何かしらが埋まっている可能性あり。 とは言え,研究室を拠点に活動しているので,内部メンバに限っては「来週・再来週のどこかで?」というのは充分に可能。「今日は?明日は?」で空いている訳がない。ご利用は計画的にということ。 もしくは,ただひたすら研究室にずっと居れば,会議が早く終わったときなど急に空いた瞬間を有効利用できる。計画的でないなら「ずっと居る」のが吉。当然のことながら,夜中にずって居ても意味なし。

ライフワークバランス

研究ばかりでは体調を崩してしまう。手広くやって本業が疎かになってしまえば苦労する。バランスのよい人生設計が肝要。 一般的に,週40時間が,本業に割く時間の目安。1年間で,40時間/週×52週=2080時間。これ以上はやり過ぎ。 大学が休みになるのは,土日祝日と,夏のお盆休み・冬の正月休み。これらを差し引くと,およそ240日間が営業日。これに年休が20日認められているので,年間220日を稼働日とするのが基準。これ未満はサボり過ぎ。講義出席はこの220日に加えてよいが,就活やバイトは年休をとったと考えるべき。夏に自主的に夏休み,冬に自主的に就活休み,さらに春に自主的に春休みをとっていると220日には到達しない。 年間220日以上・2080時間以下を目安に,1年間のライフワークバランスを各人でチェックするように。